オキシモロンoxymoronというのは「おかしい妄論」ではなく、「矛盾語法」ということだ。ギリシャ語でoxysは「鋭い」でmorosは「馬鹿な」の意味から来ている。英語で大学1年生をfreshman,2年生をsophomore,3年生をjunior,4年生をseniorというが、このsophomoreというのはsophos「利口」とmorosから来ていて「利口馬鹿」(生半可な学問を積んでいる学年)という意味でoxymoronに近い。そして両方ともオキシモロンとなっている。moronという言葉は普通に使われる。2002年11月26日、カナダのクレティエン首相の報道官デュクロさんがブッシュ大統領のことを“What a moron!”と言った発言として取り上げられ、辞任に追いつめられた。
オキシモロンは正反対の相容れない意味を持つ二つの語句を結びつけることで一見矛盾した観念を一つにまとめている。
文学ではよく使われた手法である。
当然、「きれいは汚い」(“Fair is foul, foul is fair.”)と『マクベス』で叫ぶシェイクスピアには多い。
他にもリア王がいう「朝になったら晩飯を食う」、トロイラスの「あれはクレシダであってクレシダでない」、「火を吐く氷、燃える雪」に例えられる「滑稽で悲劇的、冗漫で簡潔な」『夏の夜の夢』の劇中劇があるし、この劇の「私のものであって私のものでない」恋の世界などは全て矛盾だらけである。
ボルヘスなどもオキシモロンが大好きだ(ハイメ・アラスラキ「ボルヘスのエッセイにおけるオクシモロン的構造」『ボルヘスの世界』国書刊行会)。
トリュフォーの『隣の女』のラストではジューヴ夫人が最後に“Ni avec toi,ni sans toi.”という。意味は「あなたと一緒では苦しすぎる。でも、あなたなしには生きられない」という意味だ。じゃあ、どうすりゃいい?というのは野暮というものだ。
– 音無響子さんの矛盾~言語と論理 (via ginzuna) Via まほろば合掌団-
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